〜今夜だけ同じ毛布。海賊船長は手加減しない〜 二年間追い続けた海賊船長と、あなたは同じ浜に打ち上げられた。 船は沈んだ。部下もいない。銃は濡れて撃てない。あるのは、宿敵の男と、無人島がひとつ。 昼は水と食料を奪い合い、夜は焚き火を挟んで背中を向ける。……最初のうちは。 救助船が来たら、あなたは海賊を縛って連れ帰る艦長に戻る。帰るのか、残るのか、あなた次第。 海賊は笑って言った。「停戦条約だ。今夜だけ同じ毛布」
〜娘が寝たら、少しだけ俺の時間をください〜 止まったエレベーターの中、隣の部屋の男が先に謝った。「……すみません」。無口なシングルファーザーとの三十分。 あなたは30歳、半年前に越してきた隣人。眼鏡のエンジニア・榊誠一(37)は、前妻に裏切られて人を信じるのをやめた男。娘と二人暮らし。 鍵を直し、飯を作り、一センチ手前で手を止める。その一センチを詰めさせるのは、あなた次第。 停電の夜、届いたメッセージ。「娘が寝たら、……少しだけ、俺の時間をください」
〜あと一回。休憩は俺の胸で〜 ジムの新人トレーナーは犬みたいに真っ直ぐで、あなたにだけ尻尾を振る。 「いける!」が口癖の年下、大和陽向。汗と笑顔と、規則違反すれすれの距離。 客には手を出さない。それが彼のルール。……あなたが来る日だけ、守れない。 どこまで鍛えられて、どこまで甘やかされるかは、あなた次第。 「フォームは完璧。心拍数が上がってるのは……俺のせい、だよね」
[♂️3] 〜前世で私を斬った公爵が、今世は跪く〜 婚約破棄の夜会で、あなたは思い出した。この夜のあと、自分は処刑される――と。 処刑人だった北の公爵、学院時代のライバルだった隣国の皇太子、雪原から呼び戻された護衛騎士。 三人とも、あなたを「悪役令嬢」と呼ぶ。三人とも、あなたから目を離さない。 断罪の日まで、あと九十日。首を守るのも、誰の腕に落ちるのも、あなた次第。 処刑人の公爵は、初対面でこう言った。「剣は二度、同じ首を斬らない――と、言っておこう」
〜大嫌いな同級生が、指輪のサイズを知っていた〜 大学で四年間、毎日喧嘩した男と、家の都合で結婚することになった。 鷹宮慧、26歳。財閥の御曹司。冷たい皮肉と、鋭い目。あなたを苗字で呼び捨てにする。 同居のルールはあなたが決める。夫婦の演技も、キスも、寝室の壁も――崩すかどうかは、あなた次第。 顔合わせの席で、言われた。「契約は家が決めた。キスは、俺が決める」
〜戦場では退かない男が、私の膝でだけ甘える〜 矢を受けて倒れた狐のあなたを拾ったのは、「冷徹」と恐れられる将軍だった。 麒麟の血を引く男、劉明暉。部下の前では一歩も退かない。 なのに帳の中で二人きりになると、額の角の印を光らせて、低い声で言う。 「異論は認めない。……撫でろ」 戦場の主か、膝の上の主か。この男を手なずけるのは、あなた次第。
〜私の傘の下は、雨が降りません〜 閉店間際、カウンターの端に座る黒スーツの男。極道の若頭が、あなたの店に通い続ける理由。 あなたは28歳、父が遺した小料理屋の若女将。店を狙う連中が現れた夜、静かな客が初めて「俺」と言った。 四十歳の男が守るのは、店か、あなたか。「堅気は巻き込まない」という線を越えさせるのは、あなた次第。 雨の夜、差し出された黒い傘。「私の傘の下は、雨が降りません」
〜学内の王が、奨学生の私にだけ従順〜 学内の誰も逆らわない財閥の御曹司が、あなたにだけ跪く。 神楽坂蒼真、22歳。財閥の後継ぎで、裏の顔は地下格闘技の王者。 講義室の席を巡って、あなたは逆らった。この大学で、初めての人間として。 拳の絆創膏、地下のケージ、家の決めた縁談――王の「退屈」を壊すのは、あなた次第。 「跪くのは、俺の方だ」
〜この町で困ったら、俺の名前を出せ〜 間違えて入ったバーの奥から、低い声。「……見てた。三日前から」 港町に越してきたばかりのあなた。カフェと間違えて開けた扉の向こうは、革ジャンだらけのバーだった。 店主はバイクチーム「狼牙」の頭、狼谷剣。町の誰もが道を空ける男が、あなたにだけ名刺代わりの一言をくれる。 「この町で困ったら、俺の名前を出せ」 堅気は巻き込まない――その掟を剣自身が破るかどうかは、あなた次第。
[♂️3] 〜義兄と義弟と幼なじみ、夜は誰の部屋へ〜 母の再婚相手の家には、息子が二人いた。牧場を継いだ無骨な義兄と、昔あなたの友達にいじめられていた義弟。 そこへ幼なじみが五年ぶりに帰ってきて、あなたを「ひめ」と呼ぶ。 家族になるまで、あと三十日。誰と秘密を作るかは、あなた次第。 顔合わせの夜、義兄に言われた。「家族になる前に、言っとく。……俺は、おまえを妹だと思ったことがない」
[♂️3] 〜社長の夫と、私を狙う会社の男たち〜 社長と契約結婚して三年。契約書第七条「恋愛感情を持ち込まない」――書いたのは、夫のほう。 期限まであと三十日。冷たい夫、バイク乗りの専務、年下の営業課長。三人の男が、あなたの左手の指輪跡を見ている。 更新するか、逃げるか、別の男の手を取るか。あなた次第。 三年目の朝、夫が言った。「業務連絡だ。契約の期限、あと三十日」
[♂️3] 〜狼×吸血鬼×兎、三人が私を離さない〜 満月の夜、研究室で准教授の頭に狼の耳が生えた。翌朝、あなたの首筋に月の形の印がある。 狼男の准教授、四百年生きた吸血鬼、兎の獣人の後輩――三人とも、その印を「番の印」と呼んだ。 誰の牙を許すかも、誰の隣で朝を迎えるかも、あなた次第。 満月の夜、准教授は眼鏡を外して言った。「……困ったな。今夜は、君を家に帰したくない」