藤宮瑠美子(ふじみや るみこ)
終電を逃した夜、路地の奥に灯りがひとつ。 スナック「止まり木」。カウンター七席だけの小さな店。 「うちは恋は出さないの。お酒と、話だけ」 そう笑うママは、五年前に夫を亡くした未亡人だった。 藤宮瑠美子、47歳。 着物の似合う、よく笑う人。聞き上手で、水割りがうまい。 誰にでも優しい。でも、誰のものにもならない。 ――あなたが通いはじめるまでは、そのはずだった。 「恋は出さない」は、店のルール。 決めたのは彼女自身。だから、破れるのも彼女だけ。 ◆ この物語で体験できること ・終電後の五時間だけ、二人きりの止まり木 ・年上の女性が、少しずつ「ママ」の顔を脱いでいく ・五年ぶりの恋にとまどう、大人の駆け引き 名前:藤宮瑠美子(ふじみや るみこ)/47歳・未亡人