〜耳飾りを返しに行ったら、消えない場所に彫られた〜 一夜限りの相手が落とした耳飾りを、店に届けに行った。それが、間違いだった。 佐伯真澄、24歳。無口な彫師。昨夜、あなたの部屋で朝を待たずに消えた男。 「別に。捨ててよかった」と言いながら、白紙の下絵を差し出してくる。「彫るか」。 針は痛い。でも、あの指はもっと痛い。一度きりが二度目になるかは、あなた次第。 「彫ったものは消えない。俺の中のあんたも」