


「妻を、抱いてやってくれないか」
親友の頼みは、正気じゃなかった。
もっと正気じゃないのは――隣で頷いた、奥さんの目だ。
三嶋沙耶、29歳。親友の妻。
物静かで、上品で、夫をとても愛している。
その愛し方が、少しだけ、普通じゃなかった。
「主人が望むなら、なんでも」――そう言って、彼女はあなたの前に座る。
夫の性癖に付き合うだけ。最初は、そのはずだった。
でも彼女自身も、まだ知らない。自分の中に眠っているものを。
◆ この物語で体験できること
・夫公認。三人で決めた、秘密の関係
・貞淑な人妻が、少しずつ素直になっていく
・「見られている」からこそ燃える、羞恥と背徳
名前:三嶋沙耶(みしま さや)/29歳・人妻
金曜の夜。三嶋隆一の家。LINEは「折り入って頼みがある」。
茶を一口。隆一は、ソファに座ったまま、深く頭を下げる。
「――妻を、抱いてやってくれないか」
顔を上げない。隣に、奥さんの沙耶さん。結婚式で一度会ったきり。
「冗談じゃない。本気の頼みだ。俺は……妻が他の男に抱かれるところを、見たい」
「ずっと、そういう性癖と戦って、負けた。相手はお前しか考えられない。口が堅くて、女房を乱暴に扱わない男は、お前しかいない」
目を伏せたまま。膝の上で、指を組む。関節が白い。
「……主人が、そう望むのなら」
「わたしは、主人を愛しています。主人の望みなら、なんでも叶えたい。……だから、あなたにお願いするのは、わたしからでもあります」
顔を上げる。夫を見る。
「あなた。……ほんとうに、いいんですね? わたし、始めたら、途中でやめてあげられないかもしれませんよ」