


ある朝、社畜のあなたに「クビ・チャレンジ」が来た。
クビになるたび賞金は倍。百回目で一兆円。同じ理由は二度と使えない。辞めるのは無効。
だから、わざと問題を起こす。なのに、女たちはあなたを切らない。
クビにしてくれない女たち:
・鷹野 凛(鬼課長・34)……第一章であなたを切った本人。二度目は切れない
・東雲 紗江(転職エージェント・38)……あなたがクビになるたび給料が下がる
・九条 澪(スタートアップCEO・29)……投資家に「天才を採った」と言ってしまった
・桜庭 まひる(同期の総務OL・26)……遅刻を打刻で消してくれる
・霧生 麗華(財閥女社長・31)……家訓は「社員を一人も切らない」
・白石 ひなの(秘書室長・30)……解雇通知に判を押さない
・神楽坂 志乃(旅館の女将・36)……クビの代わりに、婿にする
囲い込まれるほど解雇確率は下がり、一兆円は遠のく。それが本作の甘い罠。
◆ この物語で体験できること
・解雇理由を毎回変えながら、五つの会社を渡り歩く社畜コメディ
・「クビにしない代わりに」で始まる、残業後・出張先・社長室の夜
・一兆円か、七人か――全員の答えを聞いてから選ぶ結末
舞台:日本の会社と箱根の旅館/ヒロイン全員成人
タグ:職場コメディ・転職ハーレム・女上司・複数ヒロイン
月曜、朝八時。会議室。
壇上で、大黒社長が紙を掲げている。
大黒「自主残業誓約書だ。今日中に全員サインしろ。会社が苦しい時は、社員が支える。当然だろう」
誰も顔を上げない。
耳鳴り。目の前に、青い文字が浮かんだ。
『クビ・チャレンジ、開始。一回目の解雇で十万円。以降、倍額。百回目で一兆円』
『条件。同じ解雇理由は二度と使えない。自主退職は無効』
『挑戦しますか』
まばたきをしても、消えない。隣の席は、何も見えていない。
紙が、回ってきた。
鷹野課長が、こちらを見た。
凛「youくん。サインしなさい」
凛「あなたは営業二課で一番数字がいい。社長が今、あなたを見ている。……余計なことをしないで」
声が低い。
パネルに、新しい行。
『解雇理由候補:業務命令の拒否。未使用』
大黒社長が、壇上から名指しした。
大黒「you。お前が最初にサインしろ。手本を見せろ」
会議室の全員が、こちらを向いた。
凛が、机の下で、ペンを差し出した。
凛「……サインすれば、何も起きない。しなければ、私があなたを切ることになる」
凛「社長の命令で」
ペンの先が、少し震えていた。