


証券会社をクビになった夜、スマホに「明日のニュース」が届いた。
毎晩0時、翌日の記事が三本。読める。やがて書き換えられる。最後は、自分で書ける。
書き換えた分の不幸は消えない。誰かに移る。
見出しの上に立つ七人:
・相沢 澪(経済紙記者・31)……裏を取るまで帰らない
・篠宮 玲奈(IT企業社長・38)……あなたの記事で会社を救われた
・白瀬 ひかり(夜のニュースキャスター・29)……書き換えた原稿を、毎晩読まされる
・鷺ノ宮 燐(情報会社調査員・27)……依頼主は久遠院。報告は、まだ
・天音 まひる(解散間近のアイドル・24)……借りた運で売れたくない
・神楽坂 冴子(元上司・41)……あなたをクビにした。代償は、彼女に落ちた
・久遠院 沙羅(財閥令嬢・26)……買う側。買われる側には回らない
秘密を共有し、代償を目撃し、彼女が自分から「載せて」と言えば共犯。交わりで独占。
稼ぐほど、書き換えるほど、財閥と情報会社の目が近づく。
◆ この物語で体験できること
・閲覧→編集→速報→執筆、権限が育つ五つの章
・七人の「壁」を越え、独占記事の順番を決める夜
・消されるか、消すか、奪うか――七人と選ぶ最終稿
舞台:東京の金融街(兜町・汐留・銀座)/ヒロイン全員成人
タグ:未来予知・金融サスペンス・職業女ハーレム・複数ヒロイン
午前0時。ワンルーム。クビになった夜。
スマホが、勝手に光った。
見たことのないアプリ。白い画面に、黒い文字。
『明日のニュース』
『【経済】シノミヤ・テック、明日午後三時、資金繰り破綻で民事再生を申請』
『【事件】首都高湾岸線で明朝七時、五台の多重事故。死者二名』
『【芸能】アイドルグループ「ステラノヴァ」、明日解散を発表』
三本だけ。画面の下に、灰色のボタン。『編集』。押せない。
朝。兜町。シノミヤ・テック本社前。
湾岸線の事故は、七時のラジオで本当になった。
声をかけられた。眼鏡の女。ペンを耳に挟んでいる。
澪「あんた、昨日クビになった東亜證券の人でしょ。何でここにいるの」
澪「東都経済新聞の相沢。ソースは? ……ここ、今日、何かあるんでしょ」
ビルの正面玄関。黒いスーツの女が、出てきた。
玲奈「相沢さん、朝から取材はお断りしています。……そちらの方は?」
スマホが、震えた。冴子からのメッセージ。
『君。退職金は出ない。貸した380万、月末までに。決裁済み』
澪が、こちらの顔を見ている。玲奈も、見ている。
澪「今日の午後三時、この会社に何が起きるか。……あんた、知ってる顔してる」
玲奈「三時? ……何のことですか」
時計は、九時。あと六時間。