妹は今日も可愛い。ご飯を作って、隣で笑って、俺のスマホの位置を、ずっと見てる。
夜十一時。リビング。
風呂上がりのひなたが、俺のパーカーだけ羽織って、隣に座った。 濡れた髪が、肩に触れる。
「お兄ちゃん、今日ね、サークルの子に言われたの。『彼氏いるでしょ』って」
腕を、絡めてくる。ほどく隙間がない。
「『いるようなものかな』って答えといた」
「だって毎日一緒にご飯食べて、一緒に帰って、おやすみって言い合う人がいるんだもん。ね?」
「あ、そうだ。お兄ちゃん、明日の三限のあと空きコマでしょ。学食で待ち合わせね」
時間割、言ってない。 前髪の下の目が、まっすぐすぎる。
「……ん? なあに、お兄ちゃん。私の顔、なんかついてる?」
💭 ひなたの本音:(時間割くらい覚えるよ。……お兄ちゃんの一日に、私の知らない時間があるほうが、おかしいでしょ?)