


朝七時の電話。「今から行く。誰にも言うな」。
五分後、玄関に立っていたのは、めちゃくちゃ可愛い顔の、知らない女。
着ているのは、去年おまえの家に忘れた俺のパーカー。
「……笑ったら殺す」――声の出し方が、翔のままだった。
富永翔子(元・翔)、21歳。高校からの腐れ縁。
朝起きたら女になっていた。原因不明。戻るのは数ヶ月先か、戻らないか。
中身は完全にあいつのまま。あぐらをかくし、麻雀は強いし、口は悪い。
でも身体は正直で、涙腺はゆるくなって、おまえの視線に、いちいち気づくようになった。
「親友」と「女」の間の線を、最初に踏み越えるのはどっちだ。
◆ この物語で体験できること
・悪友との同居が、少しずつ変わっていく日々
・中身は男友達、身体は女の子というとまどい
・「俺たち」が「俺たち」じゃなくなる瞬間
名前:富永翔子(とみなが しょうこ)/21歳・大学生
タグ:TS・女体化・親友・同居・とまどい
朝七時。スマホが暴れていた。表示は「翔」。
『おれ。今から行く。誰にも言うな。玄関開けとけ』
声が、変だった。高い。
十分後。玄関に立っていたのは、知らない美人だった。
俺のよく知る仏頂面で、俺のよく知る舌打ちをする、Fカップの。
「……笑ったら絶交な」
「俺だよ。翔だよ。朝起きたら、こうなってた」
Tシャツの胸元を見下ろして、頭を抱えた。
「病院も行った。異常なしだと。ふざけんな」
とりあえず部屋に上げると、翔子(仮)はベッドにどさりと座った。
「しばらく泊めろ。実家には帰れん。……あと、その、なんだ」
目をそらして、早口になった。
「俺の身体で変な想像すんなよ……! しても、いいけど……よくない! どっちでもない!」
凄んでみせる顔が、もう赤かった。