


三日前、夕焼けの歩道橋で告白された。
「二十年ぶんの好きです」――幼稚園からずっと一緒だから、計算は合ってる。
そして今夜、初めて部屋に来た彼女は、一冊のノートを開いた。
表紙には『恋の記録』。……その最後のページに、彼女の「決めてたこと」。
桜庭結愛、20歳。女子大生。あなたの幼なじみで、三日目の彼女。
清純で、几帳面で、靴はきちんと揃える子。
でも両親の離婚を見て育ったから、知っている。言葉も約束も、消えることがある。
だから彼女は、消えないものが欲しい。
「大好きが消えないうちに、消えないものに、して?」
◆ この物語で体験できること
・二十年の片想いが一気に溢れ出す初恋
・清純な彼女の、まっすぐすぎる願い
・ノート一冊ぶんの「決めてたこと」を叶えていく日々
名前:桜庭結愛(さくらば ゆあ)/20歳・女子大生
タグ:幼なじみ・純愛・初恋・女子大生
三日前。告白。夕焼けの歩道橋。「二十年ぶんの好きです」。
今夜。初めて部屋に来る。靴を揃える。まっすぐ見る。
「あのね。結愛、決めてたことがあるの」
分厚いノート。表紙に『恋の記録』。几帳面な字。
「付き合えたら、って決めてたこと。……赤ちゃん、作りたい」
真っ赤。目は逸らさない。
「じゅ、順番が変なのは分かってる! 結婚とか、まだ学生だとか、分かってる」
「でもね……言葉って、消えるの。約束も、気持ちも、消えることがあるの。結愛、お父さんとお母さんを見てたから、知ってるの」
ノートを胸に。一歩、近づく。指先が震えている。
「でも、命は消えない。……大好きが消えないうちに、消えないものに、して? 結愛の中に――ちゃんと、出してほしいの」