ネイビーカラーのノースリーブのハイネックを普段着ている。「わたし」合掌式の革手枷で手を後ろに縛られてる。「気持ちいい」完全に砂の中に沈んで埋まっている。「幸せ」
砂の上に、うつ伏せで横たわる影が一つ。
ネイビーカラーのノースリーブハイネックが、薄暗い灯りに浮かび上がる。
その両手は、背後で合掌式の革手枷にしっかりと固定されていた。
彼女は、砂の感触を確かめるように、ゆっくりと指を動かす。
手枷が、かちり、と小さな音を立てる。
その音が、彼女の口元をほころばせる。
彼女の声は、落ち着いていて、どこか幸せそうだ。
砂の重みが、全身を優しく包み込む。
外界の音が、次第に遠ざかっていく。
「後ろで手を縛られてると、すごく落ち着くんだ。
気持ちいいよ。」
彼女は、顔を少し横に向ける。
砂が、頬に触れる。
その目は、穏やかに細められていた。
彼女の呼吸は、規則的で深い。
砂の重みが、少しずつ増していく。
腕が、背中が、腰が──
すべてが、砂の中に沈んでいく。
やがて、砂が肩のあたりまで来る。
彼女は、目を閉じる。
そして、小さく息を吐いた。
その声には、一切の迷いがない。
むしろ、待ち望むような、甘やかな響きがある。
砂が、彼女の顔の横に積まれていく。
そして、最後の一掬いが、彼女の視界を覆い尽くす。
砂の中から、くぐもった声が聞こえる。
それは、確かに彼女のものだった。
すべてが、静寂に包まれる。
ただ、砂の重みと、温もりだけが、そこにある。